技術者魂

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文系素人のIT独学術 ②

文系素人レベル★★★

 このレベルの人は、基本情報技術者試験(FE)の午前対策に七転八倒します。

 「基礎が大切」という言葉を形式的に知っていますが、実質的な理解に及んでいない状態です。かなりの数の人がこのレベルに留まっているものと思われます。

 理系科目の構造を把握し、構造に矛盾しない手法で勉強していく必要があります。

転びポイント1

手順を端折る

1. 「難しい」と「知らない」は違う。

 度を過ぎて難しいと感じるときは踏むべきステップをどこかで必ず省略しています。

 難しいからできないのではありません。勉強してないから知らない、知らないからできないだけです。勉強が難しいと漏らす人の多くは、自ら勉強を難しくしています。

 私がはじめて「サブネット」を勉強したときのことです。ネットワーク > サブネットのところで急に詰まりました。順繰りやってきたつもりだったので狐につままれた気分でした。

 よく考えてみたところ、行き詰まった原因は、1) 進数および基数変換、2) 論理演算、3) ネットワーク部とホスト部の違い etc.について十分な時間をかけないまま、サブネットの学習に突入したことにありました。

 基数変換はIT学習の肝です。基数変換ができなければ、論理演算も、IPアドレスも、浮動小数点数も、何もわかりません。解るまで他の勉強はしなくていいです。ひたすら取り組みましょう。それだけで状況は一変します。

2. 理系の勉強に飛び級なし

 理系の知識体系は厳然たる階層構造をなしています。下位の知識なくして上位項目を理解することはできません。文系的な「だいたい」とか「自分なりに」は通用しないので、いい意味で勉強時間の短縮はあきらめましょう。

 複雑なものも分解すれば単純なものの寄せ集めです。やることをやれば着実に前進します。

 また、勉強経験の少ない人ほど、まるで足らない勉強量で勉強したと錯覚しがちです。自分が勉強を十分したと「思う」のと十分かどうかは無関係。難しくて解らない=基礎勉強不足とバッサリ割り切る潔さが必要です。

 情報処理技術者試験は、専門の学校を出ていないと手も足も出ないものではありません。我々ずぶの素人が学ぼうとする際にはひたすら手間がかかるというだけです。

転びポイント2

テキストが何か解っていない

 シャンプーではないので、試験対策テキストにオールインワンを求めてはいけません。

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 IPAシラバスを見れば明白です。レベル1の試験範囲ですら高々300ページのテキストには収まり切りません。「テキストに書かれていない、詳しく説明されていない」という苦情はナンセンスです。

 日本のテキストは一帯に薄いです。最低限覚えねばならない骨と皮だけの軽量設計だからです。某同盟国のテキストはこの逆です。分厚く重たいかわりにテキスト+追加の参考書くらいの内容が盛り込まれています。 

 情報処理関連のテキストも和製です。学習の目安あるいはペースメーカーの役割を超えることはありません。追加の書物や資料集で不足分を補う学習法は、我が国のデファクトスタンダードです。

 本編で扱っていないテーマを章末問題として取り上げているテキストもあります。「使えない」と決めつけるのはよしましょう。紙面の制約をやり繰りして学習漏れを防ごうとしているだけです。一見不親切ですが、未学習部分があると指摘してくれる分親切です。私が著者でも同じことをします。

 中学や高校の中間・期末テストではありません。「教科書に書いてありませ~~~ん!」と文句をタレても、ひたすらカッコ悪いだけなのでやめておきましょう。

転びポイント3

過去問重視の前提を知らない

1. 入ってないものは出せない

 試験対策では過去問が大変重要視されます。最近よく目にする「アウトプット中心の学習」というヤツがそれです。しかし、我々素人衆が勘違いをしてはいけません。過去問重視が功を奏するのは「ある程度の知識量をもつ人ならば」が大前提です。

 インプットしてないものをアウトプットすることはできません。しかも、われわれが自在にアウトプットできるのはインプット量のせいぜい半分程度でしょう。合格基準点分の解答をアウトプットするには、その数倍のインプット量が必要だと思っておけば間違いありません。

2. 勉強にダイエットは不要

 何かを学ぶ際には必ず要所があります。そこを重点的に学んでいけば基本的に間違いありません。しかし、覚えるそばからポロポロこぼれ落ちてしまうことがあります。骨(要所)を支えるには一見余計に見える肉の部分が必要です。素人にはその肉が不足しています。

 プロレスラーが体を鍛えるときは、まず思い切り太ってから絞るそうです。勉強も同じです。文系素人にまず必要なのは、過去問学習を可能にする知識太りの状態を確保することにあります。素人がダイエット(試験に出るとこだけの学習)するのは10年早いです。

 例外はあります。iパスの合格基準点さえクリアできれば後はどうでもいいような場合です。iパスならば過去問だけで合格することも可能です。ちょっと筋のいい人なら余裕かもしれません。ただ、それ以降を望んだときに、確実に伸び悩み、結局一からやり直す羽目になります。それを承知の上でショートカットする なら何ら問題はないと思います。 

転びポイント4

勉強の策を持たない(その1)

おっさんがテキストを買い込んだわけ

 テキストを読んで過去問を解く。まさに試験勉強の王道ですが、これだけだとあまりに芸がありません。当たり前に「王道」の勉強をして試験に落ちる人がたくさんいます。

 基本情報技術者を受験した際に、私は計8冊のテキストや問題集を購入しました。買いすぎだろ?と思いましたね? ふっふっふっ。独学素人五十路手前のおっさんが、月並みのことしかしないんじゃ、十中八九受からないのですよ。 

 テキストをたくさん買ったのは、ヤケクソになったからではございません。たくさん勉強したいなんて思うはずもなし。むしろ、最小限の勉強で最大の結果を手にれようというドグサレ根性からです。

 効果的な午前試験対策のポイントは3つあります。

1.  同系列の本を複数冊用意する

 同系列のテキストを複数冊用意したほうがいい場合があります。基本情報であれば、午前用のテキストとして「キタミ式」と「猫本」の両方を使うということで す。それこそ無駄にみえますよね。ところが、トーシローの独学ということを考えると決して無駄にはならない場合があります。

 キタミ式では説明が不十分だったり省略されていたりする点が、猫本では詳しく説明してあったりするからです。また著者が違えば説明の仕方や切り口も違います。同系列のテキストが複数あれば自分のより理解しやすい説明に当たる確率が高くなるのです。.

2. だらだら勉強は御法度

 長時間勉強すればいいというものではありません。記憶研究の分野に、初頭効果と終末(親近)効果と呼ばれるものがあります。連続した学習において、最初の ほうに学習した内容と終わり近くに学習したものがよく記憶に残る現象を指します。記憶にも中だるみがあるというわけです。

 たとえば、1日10時間×10日=100 時間の勉強(集中型学習)と、1日2時間×50日=100時間の勉強(分散型学習)とでは、分散型学習のほうが圧倒的に理解が深まります。

 ここまでわかれば作戦を立てるのは簡単です。勉強時間を細かく刻んで「最初と終わり」を数多く作り出せばよいのです。通勤時間や休憩時間を利用しての隙間学習や、30分 毎に休憩を挟みながらの学習は理にかなっています。

3. 理屈+反復=効率のよい学習

 気合や根性があれば覚えられるわけではありません。根を詰め過ぎるとストレスばかり大きくなり効率が下がります。

 とにかく繰り返すことが大切です。繰り返 していれば嫌でも覚えます。初学者のうちは、テキストを3回は繰り返して読みましょう。2回、3回と繰り返すと、当初自分がいかに中途半端な理解をしていたか痛いほど分かります。 

 また、どうしてそうなるのかという理屈を大切にしましょう。理屈で覚えたものは簡単には忘れません。 理屈が接着剤の働きをしてキーワードをしっかり記憶に定着させてくれます。